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ヒカルが宣言「浮気OKです!」に批判殺到 妻が許したら「オープンマリッジ」に法的リスクはない?
2025年09月17日 13時20分
#オープンマリッジ #ヒカル #進撃のノア

人気YouTuberのヒカルさんとその妻、進撃のノアさんが、夫婦間の話し合いを経て「オープンマリッジ」という形態での結婚生活を選んだと公表し、波紋を呼んでいる。2人は今年5月、結婚を発表していた。

ヒカルさんは9月14日にアップした自身のYouTubeチャンネルで「皆さんにちょっと大事なご報告があります」と切り出し「僕たちはオープンマリッジとして生きていきます。浮気OKです! 浮気OKになりました!」と続けた。

ヒカルさんによれば、夫婦がお互いの合意のもとで配偶者以外との恋愛関係や性的関係を認め合う結婚スタイルだという。ヒカルさんは動画内で「100%浮気する」と明言し、妻のノアさんも同様の自由を持つことに合意したと説明している。

発表後、SNSでは批判的な声が殺到し、ヒカルさんのチャンネル登録者数は10万人以上も減ってしまった。いくら当事者間の合意があるとはいえ、法的なリスクはないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

人気YouTuberのヒカルさんとその妻、進撃のノアさんが、夫婦間の話し合いを経て「オープンマリッジ」という形態での結婚生活を選んだと公表し、波紋を呼んでいる。2人は今年5月、結婚を発表していた。

ヒカルさんは9月14日にアップした自身のYouTubeチャンネルで「皆さんにちょっと大事なご報告があります」と切り出し「僕たちはオープンマリッジとして生きていきます。浮気OKです! 浮気OKになりました!」と続けた。

ヒカルさんによれば、夫婦がお互いの合意のもとで配偶者以外との恋愛関係や性的関係を認め合う結婚スタイルだという。ヒカルさんは動画内で「100%浮気する」と明言し、妻のノアさんも同様の自由を持つことに合意したと説明している。

発表後、SNSでは批判的な声が殺到し、ヒカルさんのチャンネル登録者数は10万人以上も減ってしまった。いくら当事者間の合意があるとはいえ、法的なリスクはないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●慰謝料はもらえない?

──「オープンマリッジ」を選んだカップルは、浮気しても離婚や慰謝料請求はできないのでしょうか

「オープンマリッジ」でも、離婚や慰謝料請求が認められる可能性もあると考えます。

民法では、不貞行為(配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)は婚姻を継続し難い重大な事由だとして離婚原因の一つとされています(民法770条1項1号)。

「オープンマリッジ」は、夫婦間において、不貞な行為を離婚原因から外すという合意になってきます。

しかし、民法770条1項1号が不貞行為を離婚原因としているのは、日本において歴史的に根付いている一夫一婦制を維持するためでもあります。

「オープンマリッジ」を裁判で有効と認めることは、一夫一婦制の根幹を揺るがすことになりかねません。

そうなると、「オープンマリッジ」が無効と判断され、不貞行為を理由に離婚が認められる可能性もあるのではと考えます。

──慰謝料の請求もできないということでしょうか

慰謝料の請求が認められる可能性もあるかと考えます。

通常、不貞な行為をした者は配偶者に対して損害賠償責任を負いますが、「オープンマリッジ」の合意は、そういった責任も免除するといった意味合いも含まれるかと考えます。

しかし、先述した通り、「オープンマリッジ」の合意が無効となれば、慰謝料の請求が認められる可能性があります。

●相手が「オープンマリッジ」ではない既婚者だったら?

──夫婦が合意していても、不貞相手が既婚者だった場合にはどうなりますか?

仮に「オープンマリッジ」が有効だとしても、第三者との不倫行為は民法上の不法行為に該当する可能性があります。

「オープンマリッジ」の夫婦の一方が、「オープンマリッジ」でない夫婦の片方と不倫関係になった場合、「オープンマリッジ」でない夫婦の一方の配偶者の夫婦生活の平和の維持についての権利ないし法益を侵害しますので不法行為に該当します。

その場合、不貞相手の配偶者から損害賠償請求される可能性は考えられるでしょう。

●浮気をOKにしたという「証拠」は必要?

──なお今回、2人はYouTubeでわざわざオープンマリッジの関係であることを告白し、これが一種の「証拠」になったとも言えそうです。オープンマリッジを仮に選択する場合、将来あるかもしれない揉め事に備え、このような証拠は有効なのでしょうか?

一般論からいえば、証拠とするものに特に制限はありませんから、動画も証拠にはなりえます。ただ、今回の動画が証拠として強い力を持つかどうかは微妙だと思います。

浮気承諾書の法的効力が問題となった裁判例(東京地判平成16年2月19日)では、一般論としては不貞慰謝料の全部を免除することは出来ないとしつつ、慰謝料の減額要素として考慮されることはありうることが示唆されています。

しかし、そのケースでも結局減額は認められていません。

浮気承諾書は、一方の優越的な地位を利用して押しつけられる可能性もあり、そのような場合は減額等は認められない可能性が高いです。これは動画に残していたとしても変わりません。

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