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人気VTuberの不適切改変イラストをツイート、著作権侵害で開示命令 今後につながる判決
2023年02月11日 08時19分
#VTuber

人気VTuber「兎田ぺこら」の不適切なイラストをTwitterに投稿したとして、所属プロダクションが起こした裁判で、東京地裁(國分隆文裁判長)は1月31日、著作権侵害を認め、プロバイダに投稿者の個人情報開示を命じる判決を言い渡した。

裁判所のサイトで公開されている判決文によると、匿名の投稿者がツイートした画像は、「兎田ぺこら」の動画を切り抜き、涙や縄の絵とともに、「【首吊り】Vtuber初!自殺配信」などの文字を付けて、YouTube動画のサムネイルに見立てたものだ。

VTuberの画像と動画の権利をもつプロダクション「ホロライブ」(カバー社)は、こうした投稿が著作権(複製権・公衆送信権)の侵害にあたるとして裁判を起こしていた。

東京地裁の判決は、「兎田ぺこら」が自殺の様子をYouTube配信するような表現の投稿が、ホロライブの公衆送信権などの著作権を侵害するものと指摘した。また、キャラクターの自殺を描いた画像は、ホロライブのコンテンツ二次創作ガイドラインで禁止される「暴力的な表現」に該当するものであり、動画の利用許諾があったとは認められないとしている。

インターネットで検索すると、判決で権利侵害が認められたものではないかと思われる画像が確認できた。

人気VTuber「兎田ぺこら」の不適切なイラストをTwitterに投稿したとして、所属プロダクションが起こした裁判で、東京地裁(國分隆文裁判長)は1月31日、著作権侵害を認め、プロバイダに投稿者の個人情報開示を命じる判決を言い渡した。

裁判所のサイトで公開されている判決文によると、匿名の投稿者がツイートした画像は、「兎田ぺこら」の動画を切り抜き、涙や縄の絵とともに、「【首吊り】Vtuber初!自殺配信」などの文字を付けて、YouTube動画のサムネイルに見立てたものだ。

VTuberの画像と動画の権利をもつプロダクション「ホロライブ」(カバー社)は、こうした投稿が著作権(複製権・公衆送信権)の侵害にあたるとして裁判を起こしていた。

東京地裁の判決は、「兎田ぺこら」が自殺の様子をYouTube配信するような表現の投稿が、ホロライブの公衆送信権などの著作権を侵害するものと指摘した。また、キャラクターの自殺を描いた画像は、ホロライブのコンテンツ二次創作ガイドラインで禁止される「暴力的な表現」に該当するものであり、動画の利用許諾があったとは認められないとしている。

インターネットで検索すると、判決で権利侵害が認められたものではないかと思われる画像が確認できた。

●プロダクションの法務知財チームと弁護士による法的措置の現況

なお、カバー社は、2022年に発生した所属タレント(VTuber)に対する誹謗中傷行為の対応を今年2月に報告した。リリースによると、ネット掲示板に悪質な投稿をした者について6件の開示請求裁判をおこない、3件で特定し示談中、残り3件で裁判手続きが係属中だという。SNSの投稿についても開示請求の裁判が3件あるという。

VTuber関連の裁判では、プロダクションは、自社が権利をもつコンテンツを守る裁判(今回のような知財関連の裁判)とともに、契約関係にあるクリエイター(VTuberの「中の人」)を守る裁判(名誉毀損や殺害予告事案)などをすすめている。

VTuberの権利に関する問題を扱った経験がある小沢一仁弁護士は「今回の判決では、自殺を描いたイラストの投稿がプロダクションの著作権侵害として認められました。今後は、このような投稿がVTuberの「中の人」に対する権利侵害としても考えられる余地はあると思います」と話した。

ここからは小沢弁護士が解説する。

●今回のケースは「中の人」への名誉感情侵害にもなりうる

「中の人」は、外見がアニメキャラクターであったり、特定のキャラクター設定はあるものの、それ以外は自分の声で話し、モーションキャプチャにより自分の動きを反映し、自身に関する出来事も話題にして配信したりするものですので、キャラクターには「中の人」の人格が反映されているものといえると思います。

今回ツイッターに投稿された問題になった画像は、実際の配信の静止画に表示されるキャラクターについて、吊り縄の絵や、「死ぬ ぺこ」というテキストをつけられたうえ、さらに動画タイトルにはキャラクター名とともに、「【首吊り】VTuber初!自殺配信するぺこよー!」などとするものです。

画像が投稿されれば、実際にこのような内容の動画を「中の人」が配信したとの誤認を招く可能性があります。配信していないのに、「自殺動画」というネガティブなタイトルの動画を配信したことにされることによって、「中の人」の名誉感情は侵害されると思います。

また、同定可能性の問題(「中の人」が誰であるかという問題)をクリアできれば、名誉権の侵害も認められるのではないかと思います。

2月20日からは、裁判所が認めれば匿名で民事訴訟を起こすことができるようになります。そうは言っても、「中の人」が前面に立って対応することはやはりハードルが高いので、事務所側に積極的に法的対応を取って欲しいと思う部分はあります。

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